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2019年、知り合いのエンジニアから「案件を探してほしい」と頼まれたことから始まった栗山さんのフリーランス支援。その取り組みは口コミで広がり、「FUNADE」として立ち上げられ、やがて「セルプロフリーランス」を経て、2025年9月に新サービス「MyConsul(マイコンサル)」として生まれ変わりました。
案件紹介にとどまらず、フリーランスに寄り添う“専属の相談役”としての存在を目指す「MyConsul」。今回はサービスの創設者である栗山さんに、立ち上げのきっかけや本リニューアルに込めた想い、そして今後描く未来像について伺いました。
栗山さんがITフリーランス支援を始めたきっかけ
──「MyConsul」を立ち上げるまでの経緯や、これまでの歩みについてお聞かせください
「MyConsul」の前身は、2019年に「FUNADE」という名前でスタートしました。当時、知り合いのフリーランスエンジニアから「案件を探してもらえませんか」という相談を受けたことがきっかけです。相談は少人数から始まりましたが、やり取りを重ねるうちに「栗山さんに任せたい」と信頼を寄せていただけるようになりました。その信頼が口コミを生み、次第に紹介が紹介を呼ぶ形でフリーランスエンジニアとのつながりが広がっていったのです。
その後、サービスは「セルプロフリーランス」と名称を変え、そして2025年9月に「MyConsul」としてリニューアルされました。名称は変わっても一貫して重視しているのは、「人と人とのつながり」です。単なる案件紹介にとどまらず、フリーランスの方々と二人三脚で伴走するサポートを行うことが、サービスの根幹となっています。
──フリーランスエンジニアの方々が抱えている課題や、社会的な背景についてどのように感じていますか?
フリーランスとして働く方々の中には、組織に縛られたくはないけれど、孤独を感じる瞬間もあり、人とのつながりを求める複雑な心情を持っている方もいらっしゃいます。「MyConsul」では、仕事面だけでなく、生活や人生相談にも耳を傾けることで、孤立を防ぎ、心地よく働ける環境を提供しています。
特に在宅ワークが中心になった現在では、日中に誰かと話す機会が少ない方が多く、子育て中のフリーランスは家庭の話を共有できる相手がほとんどいません。「MyConsul」では、仕事だけでなく、日常の悩みや相談にも対応し、年代や生活状況に応じたコミュニケーションを行っています。子育ての話や、年配の方との株や保険、年金の話など、多岐にわたる相談にも柔軟に対応しています。
──実際にどのような形でサポートを提供しているのか、具体的に教えてください
「MyConsul」のコンサルタントは、案件の代行探し、企業への紹介、面談設定など、エージェントとしての役割を担います。しかし、それだけにとどまらず、二人三脚で伴走することを重視しています。たとえば、現場でのランチや業務後の飲み会を通じて、日常の会話や悩み相談を行い、人としてのつながりを築いています。
関係構築の速さも特徴の一つです。一般的には3か月から半年かけて築く人間関係を、1週間で形成することを目指しています。趣味や関心事を共有し、自分の方向性や考え方を伝えることで、信頼関係を迅速に構築します。契約がなくても、「栗山さんが案件やフリーランスを探していると言っていたから」と協力してくれる方が多く、この信頼関係が「MyConsul」の原動力です。
「MyConsul」へのリニューアルに込めた想いと独自のサポートスタイル
──「MyConsul」という名前に込めた意味やコンセプトについて詳しく教えてください
「MyConsul」という名前には、「自分だけのコンサルタント」「専属の相談役」という意味が込められています。AIや機械では対応できない、人間だからこそ提供できるサポートや回答を届けたいという思いがあります。
社内公募でこの名前が提案されたとき、直感的に「これしかない」と感じました。サービスの本質を端的に表しており、フリーランスに寄り添う姿勢を象徴しています。
──サービス名を刷新しようと思った背景や理由についてお聞かせください
以前の「セルプロフリーランス」という名前は、広告や機械的な人材集めのイメージが強く、契約単位での関係に留まりやすい印象がありました。エンジニア一人ひとりの性格や背景まで理解するサービスではなく、長期的な関係構築が難しいと感じていました。私は、契約がない場合でも信頼できる一人と深く関係を築くことが、結果として大きな価値を生むと考えています。
──「MyConsul」ならではの強みや、特に印象的だったエピソードを教えてください
デジタル営業が主流となる中で、あえて昭和的な人間関係の築き方を重視しています。直接会って話す、共通点を見つける、趣味や生活の話を共有する──これらがフリーランスに安心感を与え、信頼関係を生みます。
実際、契約がなくても「栗山さんが案件やフリーランスを探していると言っていたから」と協力してくれる事例も多く、この信頼関係こそが「MyConsul」の強みです。
──その強みは、フリーランスの方々にどのようなメリットをもたらすと考えていますか?
現場のリアルな情報を直接提供できる点が最大のメリットです。ネット上の情報は良い話ばかりが目立ち、実際の環境や課題が見えにくいことがあります。
「MyConsul」では営業担当者が現場に足を運び、生の声を集めて正確な情報を提供することで、フリーランスが安心して案件選定やキャリア設計を行えるようにしています。
「MyConsul」が描くこれからの展望とフリーランス支援の未来像
──今後の「MyConsul」の展開や、目指しているビジョンについて教えていただけますか
今後は専門のコンサルタントを増やし、教育体制を整えることで、より多くの方に「MyConsul」を利用してもらえるようスケールさせたいと考えています。
オンラインでの登録だけでなく、対面での面談を増やすことで人となりを理解し、信頼関係を強化します。また、フリーランスがコンサルタントを指名できる仕組みも導入し、仕事・生活面でのサポートを最適化していきます。
──具体的にどのようなセミナーやイベントを計画されていますか?
AIの最新活用法などの技術イベントだけでなく、フリーランス同士が顔を合わせ、交流を深めるオフラインイベントも計画しています。仕事のノウハウだけでなく、人間関係を構築する機会を提供することで、安心して働ける環境を作ります。
将来的には、学生向けにフリーランスや起業の働き方を知るイベントも開催し、未来のキャリア選択に役立てます。
──「MyConsul」を通して実現したい未来像はどのようなものですか?
IT化やリモート業務の増加で人との接触機会が減る中、「MyConsul」を通して「人と人とのつながり」の重要性を伝え続けたいと考えています。
フリーランス同士をつなぐコミュニティ形成や孤立せず安心して働ける環境の提供など、仕事だけでなく生活全般を支える存在として機能することが目標です。
──どのようなフリーランスの方に登録してほしいと考えていますか?
「MyConsul」では、単に案件を紹介するだけの関係に留まるのではなく、フリーランスの方それぞれが抱える「やりたいこと」や「実現したい目標」に深く寄り添いたいと考えています。たとえば、将来的に起業を目指している方、自分自身で新しいサービスやアプリケーションを開発したい方、あるいは今まで世の中に存在しなかった新しいプログラミング言語や技術を生み出してみたいと考えている方など、強い目的意識を持った方々にぜひお話を聞かせてほしいと考えています。
私たちは、こうした熱意や独自の挑戦心を持つフリーランスの方々と出会い、一緒に考え、サポートを提供していくことで、単なる案件紹介を超えた価値ある関係を築きたいと思っています。「MyConsul」に登録することで、自分の目標に向かって伴走してくれるパートナーを得られるだけでなく、同じ志を持つ他のフリーランスともつながり、刺激を受けながらキャリアを広げていくことも可能です。
まだ世の中に存在しないものを形にしたいという挑戦者たちと積極的に関わり、一緒に未来を創っていきたいのです。
──最後に、フリーランスの方々に向けたメッセージをお願いします。
「MyConsul」は、単なる案件紹介サービスではなく、皆さんの人生のパートナーとして寄り添うことを重視しています。技術の進歩で便利になる一方、人間らしいつながりが希薄になる時代だからこそ、「MyConsul」のようなあえて非効率で“レトロ”なサービスこそ、フリーランスにとって実は一番価値があるのではないでしょうか。
フリーランスエンジニアとして孤独を感じている方や、誰かと話したいけれど話し相手がいない方、そんなフリーランスの皆さんにとって頼れるパートナーでありたい。そんな想いで、「MyConsul」を運営しています。