「AI時代に生き残るエンジニア像とは?」――セルプロモート執行役員が語る未来と採用の視点

楽天で11年間エンジニアリーダー・マネージャーを務め、ヤマップを経てセルプロモートへ。2025年4月に執行役員となった笹森さんは、AIを活用した自社プロダクト開発や受託案件の推進に加え、エンジニア採用やキャリア支援にも力を注いでいます。IT業界20年の経験を持つ彼が語る、AI時代に求められるエンジニア像、そして最終面接で重視するポイントとは――。

セルプロモート執行役員が語るキャリアと現在のミッション

──改めて、セルプロモートでの仕事内容を教えてください。

テクノロジーデザイン部の部長として、自社プロダクト開発や受託開発に幅広く関わっています。具体的には、新規案件の設計や開発、運用までの一連のプロセスに参加し、技術選定や開発方針の決定など、エンジニアリング全体の方向性を見極めています。最近では、新規受託案件の営業やプリセールスも自ら行っており、クライアントの課題や要望を直接把握したうえで最適な提案を作ることが日常業務の一部になっています。

また、エンジニア採用の最終面接も担当し、候補者の技術力だけでなく、チーム適性や考え方、将来の成長可能性まで総合的に判断しています。面接だけでなく、入社後にクライアント先で活躍するエンジニアのキャリア形成支援にも関わっており、ITエンタープライズセールス部やタレントマネジメント部と連携して、エンジニアが最大限に力を発揮できる環境全体を整えています。

組織の仕組みや文化も含め、エンジニアの活躍を長期的に支えることが私の大きなミッションです。

──具体的にどのような課題解決を行ってきましたか。

クライアントワークでは、どうしても外部環境の制約が大きく、希望する開発や技術挑戦が難しい場合があります。そこで、社内で独自の開発案件を作り、経験のない言語や新しいプロジェクトに挑戦できる環境を提供しています。AIを活用した開発も社内では柔軟に進められ、DevinやClaude Code、Copilotなどの先端ツールを活用しながらモダンな開発経験を積むことが可能です。このように、エンジニアが自由に技術を試し、自分のスキルを伸ばせる環境を整えることは、AIやクラウド、最新言語に対応できる人材の育成に直結しています。

こうした社内経験はクライアント案件にも応用可能で、実務での問題解決力や新しい技術への対応力が高まります。結果として、エンジニア一人ひとりのキャリア形成だけでなく、会社全体の技術力向上にもつながっています。

──今年4月に執行役員に就任された背景と、現在のミッションを教えてください。

COOの谷内さんから声をかけていただき、正しいことを実現するためには経営に近い立場で意思決定に関わる必要があると考え、執行役員就任を受けました。

私の役割は経営と現場の橋渡しです。エンジニアとしての現場経験と管理職としての経験を活かし、経営陣の戦略や意図を現場に正確に伝え、現場で生じた課題や改善点を経営に届けることを重視しています。さらに、組織全体の成長を促すため、柔軟性を持った対応や調整力、意思決定の迅速性も求められます。

若手エンジニアの育成やキャリア設計にも関わることで、個人の成長と組織全体の成果を両立させることが私の大きなミッションです。執行役員として活動することで、現場が抱える課題に対してより迅速かつ戦略的な支援が可能になり、会社全体の成長スピードを加速させることができます。

AI時代に求められるエンジニア像とIT業界のこれから

──IT業界での20年の経験から、これまで業界はどのように変化してきましたか。

システム開発の環境は過去20年で大きく変化しました。以前は、大型PCを持ち込み、OSや開発環境をゼロから構築する必要がありました。開発に着手するまでの準備だけでも大きな時間と労力がかかりました。しかし、現在ではコンテナ技術やクラウド環境を活用することで、開発環境を数分で整えることが可能です。その結果、技術的なハードルは下がりましたが、残された課題はより高度で複雑になっています。

単純な問題はすでに解決され、今後は複雑で多層的な課題への対応が求められるため、プロジェクトマネジメントや課題解決力もこれまで以上に重要です。AIはこうした複雑な課題を効率的に解決するための強力なツールとして登場し、開発効率や意思決定の精度向上に貢献しています。これからのエンジニアには、技術力だけでなく、AIを効果的に活用するスキルも求められる時代です。

──これからの時代、エンジニアにはどのようなスキルやマインドが求められると思いますか。

AIが進化する時代では、単純なプログラミング能力だけでは通用しなくなります。AIが単純作業や高速処理を担う時代に、人間は課題の本質を理解し、チームや顧客と協働する能力が差別化のポイントになります。特に重要なのは、人間らしいスキルやマインドです。私はHRT、つまりHumility(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)の3つの要素が非常に重要だと考えています。

自分の強みを理解して活かし、組織全体の中でどのように貢献できるかを考える姿勢も不可欠です。さらに、技術やAIを学び続ける姿勢、変化に柔軟に対応できる力も求められます。これにより、個人の成長が組織の成果に直結し、長期的なキャリア形成にもつながります。

──エンジニアの人間味は、具体的にどのような場面で活かせますか。

エンジニアの人間味は、課題に共感し、当事者意識を持って行動する場面で最大限活かされます。例えば、顧客が困っている状況に対して「自分は影響を受けないから」と考えるのではなく、「どうすれば解決できるか」と主体的に考え、行動に移すことが重要です。

また、尖った技術力を持つ人がいても、その力を組織全体でどう活かすかがマネジメントの課題です。自分の強みを理解し、AIや最新技術と上手に共存させながら価値を生み出せるエンジニアは、個人としてだけでなく組織全体の成果に大きく貢献できます。こうした人間性や協働力が、AI時代のエンジニアにとって必要不可欠なスキルです。

最終面接で重視するポイントと、一緒に働きたいエンジニアの人物像

──現在募集しているポジションについて教えてください。

現在は、自社プロダクト開発のエンジニアを募集しています。求めるのは、課題にしっかり向き合い、自分ごととして取り組める方です。基本的には上流工程の経験をお持ちの方を歓迎していますが、経験がなくても「成長したい」「これから伸びていきたい」という意欲のある方には、ぜひ面接でお話を伺いたいと思っています。

また、新しい技術やツールに前向きに取り組める方、チームメンバーと協力して価値を生み出す意識のある方、変化の多い環境にも柔軟に対応できる方は特に歓迎です。単に技術力が高いだけではなく、学び続ける姿勢や柔軟さも大切にしています。

──最終面接で重視しているポイントは何ですか。

私が特に大事にしているのは、これまでの開発経験をきちんと理解しているかどうかです。職務経歴書を見て「このシステムはどういうものですか?」とお聞きすることが多いのですが、そのとき楽しそうに説明してくれる方はシステム開発が好きで、仕事に対して主体的に取り組んでいると感じます。

説明の中で「なぜこのシステムが必要だったのか」「自分はその中で何を担当したのか」を整理して話せる方は、技術の本質を理解しながら仕事をしているなと思います。ただし、話しすぎる方もいるので、時間の使い方やコミュニケーションの取り方も自然に見ています。

──一緒に働きたいエンジニアの人物像はどのような方ですか。

一緒に働きたいのは、課題に前向きに取り組み、他のメンバーに対しても思いやりを持ちながらチームで成果を生み出せる方です。技術力だけでなく、自分の強みを理解し、AIや最新技術をうまく活用しながら成長できる方だと、チームとしても大きく助かります。

さらに、柔軟性や学ぶ意欲を持ち、変化の早いIT業界でも長く活躍できる方は理想的です。主体性や共感力、学習意欲、柔軟性を兼ね備えた方こそ、AI時代のチームで中心となり、組織全体に良い影響を与えられると考えています。


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